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本屋が減ると、何が減るのか

「本屋が減ると、何が減るのか」は、EMENDIA が書き下ろした中学受験の作文・小論文の例題(PISA型・小5向け・目安50分)です。文章と資料(表・グラフ・会話)を組み合わせて考える練習になります。

対象 小5レベル4・発展(難関校・受験直前期)PISA型目安 50分

原稿用紙に書いた答案の写真を送ると、AI の添削がこう返ってきます。

アプリに届く添削の返事(見本)。答案に◎と番号の朱が入り、直した文と理由が並ぶ。

返事は、別の問題の答案につけた見本です。この問題も、同じ形で添削します。1回払いで、自動では続きません。

場面

ゆうきさんの学級では、総合的な学習の時間に「町から消えていくもの」を調べています。先生が、本屋についての文章と、ある市の資料を配りました。

文章

文章A 売れなかった本のほうを

駅前の本屋が、今月で閉まる。店主のおじさんは「本を読む人が減ったからねえ」と言った。本当だろうか。

本屋が減っているのは事実だ。全国の書店の数は、この二十年ほどで半分近くになったと言われる。書店が一つもない市町村も、四分の一を超えた。けれども「本屋が減る」と「本を読む人が減る」は、同じことではない。

考えてみてほしい。本を手に入れる方法は、本屋で買うだけではない。図書館で借りる。インターネットで注文する。電子書籍でんししょせきとして画面で読む。本屋が減った分、こうした別の道が太くなったのだとしたら、「読む人」は減っていないかもしれない。

では、本屋がなくなっても困らないのだろうか。わたしは、そうは思わない。本屋には、ほかの方法にはない働きがある。「探していなかった本に出会う」という働きだ。図書館の検索機けんさくきも、インターネットの画面も、こちらが言葉を入れなければ何も出してくれない。本屋の棚は、こちらが何も知らなくても、勝手に本を差し出してくる。となりに置かれた本、平積みの帯の言葉、店主が書いた小さな紹介カード。そこには、自分では思いつかなかった世界への入り口がある。

つまり、本屋は「本を売る場所」であると同時に、「知らないものに出会う場所」だった。減っているのは本を読む人ではなく、出会いの機会なのかもしれない。

閉店の日、わたしは店主に聞いた。「一番売れた本は何ですか」。おじさんは少し考えて、こう言った。「売れた本より、売れなかった本のほうをよく覚えているよ。あの棚に、だれかが手に取るのを、ずっと待っていた本があった」。

言葉の意味

資料

資料1 ある市の書店の数、図書館の貸出冊数、人口の変化(架空)

2005年2015年2025年
書店の数(店)1274
図書館の年間貸出冊数(万冊)607278
市の人口(万人)201918

単位: 行ごとに単位がちがう

書店は減り、貸出はふえ、人口は減っている。

※この資料は学習のために作った架空のデータです。

資料2 ある市のアンケート「一か月に本を一冊も読まない人」と「電子書籍を読む人」の割合(架空)

棒グラフの数値を表にしたものです(アプリで印刷すると図で出ます)。

2005年2015年2025年
一冊も読まない人404855
電子書籍を読む人21530

単位: %

※この資料は学習のために作った架空のデータです。対象は市内の15歳以上。

資料3 資料を見た三人の会話

問題

問1(60字)

文章Aで、筆者が「本屋が減る」と「本を読む人が減る」は同じことではない、と言うのはなぜですか。本文の言葉を使って、六十字以内で説明しなさい。

条件

採点で見るところ: 要点の網羅、本文との対応、字数・表記

問2(80字)

資料1をもとに、2005年と2025年の「市民一人あたりの図書館の貸出冊数」をそれぞれ計算し、2025年は2005年の約何倍になったかを答えなさい。計算の式を書き、割り切れないときは小数第二位を四捨五入して、八十字以内で答えなさい。

条件

採点で見るところ: 数値の正確さ、計算の根拠、四捨五入と表記

問3(100字)

資料3で先生は「二つとも本当」と言いました。ゆうきさんの「貸出はふえている」とみどりさんの「読まない人はふえている」が、どちらも本当だと言えるのはなぜですか。資料1と資料2の数値を使って、百字以内で説明しなさい。

条件

採点で見るところ: 二つの資料の対応、説明の筋道、表現・字数

問4(400字)

文章Aの筆者は、本屋を「知らないものに出会う場所」と呼んでいます。あなたは、これからの町に本屋は必要だと思いますか。立場を決め、文章Aの言葉と資料の数値を一つずつ以上使い、あなたの体験か見聞きしたことを一つ挙げて、四百字以内で書きなさい。

条件

採点で見るところ: 課題への対応、根拠と具体例、構成、表現・表記、条件の充足

考え方のヒント

①文章の主張を一言で(減っているのは読む人ではなく、出会いの機会)。②資料は「合計」と「一人あたり」と「割合」を区別する。人口が減っているので、貸出の合計より一人あたりのほうが大きくふえる。③食い違って見える二つの資料は、「人数」と「一人の量」に分けると両立する。④意見は、立場→文章の言葉で理由→資料の数値を自分の立場の向きに使う→体験を一場面→反対の見方(お金・店の減少)を認めて、現実的な形を一つ→結び。

模範解答の例(問4)

答えは一つではありません。字数・条件の守り方と、組み立ての参考にしてください。

 わたしは、これからの町にも本屋は必要だと考える。文章Aの筆者が言うように、本屋は「探していなかった本に出会う場所」であり、その働きは図書館の検索機やインターネットの画面では代わりができないからだ。  資料2を見ると、一冊も読まない人は四十%から五十五%にふえている。読む人が減っているのなら、本との入り口はむしろふやすべきだ。わたしは四年生のとき、母と行った本屋で、目当ての本のとなりにあった星の図鑑を手に取った。表紙の写真がきれいだったからで、探していたわけではない。その本がきっかけで、今も夜空を見上げる。検索の画面では、あの出会いは起きなかったと思う。  もちろん、本屋を続けるにはお金がかかり、資料1のように店の数は十二から四に減り続けている。だから、図書館やカフェといっしょになった小さな本屋のような、新しい形を考える必要がある。出会いの場所を、町から消さないためだ。

この問題を原稿用紙に書いて、写真を送ると数分で添削が返ります。

EMENDIA は、中学受験の作文・小論文を家庭で練習するサービスです。毎朝、書き下ろしの問題が届き、原稿用紙に手で書いた答案の写真を送ると、AI が「どこを、どう直せばよいか」まで添削します。

いまは500円で1枚だけ試せます。1回払いで、自動で続くことはありません(14日のうちに1枚)。

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1枚の流れ(印刷 → 書く → 写真 → 返事) / くわしい説明と料金

ほかの例題

例題の一覧 / 公立中高一貫校の作文の形式(学校別ガイド)

この問題は EMENDIA が書き下ろしたものです。資料の数値は学習のために作った架空のものです(資料に明記しています)。会員向けに出してから1週間たった問題の一部を、無料で公開しています(公開日 2026年9月15日)。